喫煙者に有効?酸素水の効力とは
「水素水」があれば、「酸素水」もあります。今回はこの「酸素水」を取り上げます。
酸素水は水素水に比べるとその知名度は少し落ちてしまいますが、この酸素水とはいったいどのようなものなのでしょうか。そして効力にはどういうものが考えられるのか、その意見に対する反証はどのようなものがあるのかなどについて、できるだけ公平で冷静な視点で見ていきましょう。
酸素水ってどんなもの?
酸素水は一般的に、「通常の水よりも多くの酸素が溶け込んだ水である」というように理解されます。そのためほかの水に比べて酸素の濃度が高いのが特徴です。酸素水はの値段はまちまちではありますが、まとめ買いをした場合、一般的なペットボトルの水と値段がかわらないものもあります。一方で1本が500円を超える、かなり高級な酸素水もあります。
「酸素水」と聞くと、「なんとなく体に良さそうなもののように思える」という人もいるかもしれませんが、酸素水がもつと言われている効果とその反証について見ていきましょう。
酸素水は喫煙者に効果的?
「たばこを吸うと、体のなかの酸素が使われてしまう」ことで、「体のなかに酸素を取り入れられるから」といった理由で、喫煙者に酸素水が勧められることがあります。
酸素を失い酸欠状態になってしまった体は、さまざまな不調に陥ります。めまいや息切れがその一つですが、頭痛が起こる可能性もあります。これを避けるために酸素水を飲むとよい、とされているのです。ただし酸素水を飲んでも、それを細胞まで届けるのは赤血球の役目です。赤血球の基礎となる鉄分などの摂取が重要になるでしょう。
酸素水の効果に対する反証と判断
実は、「酸素水には効果がある」としている意見は非常に少ないものだと言わざるを得ません。「酸素水の効果」を否定するさまざまな論文が出ているからです。
そのなかでもよく測られているのが、「運動能力や披露へのアプローチ」でしょう。
これはさまざまな条件で行われています。女性よりも男性主体となって行われることも多いのですが、
- 1.期間は2週間。24~25歳の男性が対象。酸素水を1日に1・5リットル以上飲んでもらう。その状態で運動をしてもらったときの、血中の乳酸などの値を測定する
- 2.28歳~42歳の、男女混合チームに対して行った実験もある。こちらの実験では、運動能力について調べる。
- 3.男性が対象。2時間前に酸素水を飲んでもらって、各種の測定を行う
などが挙げられます。
この結果はどうなったのでしょう。
- 1.酸素水を飲んだことによる特段の変化はない。むしろ酸素水よりも、精神面が及ぼす影響の方が大きいと判断された。
- 2.酸素水を飲んだことによる特段の変化はない。たしかに酸素水は血しょうにとけるかもしれないが、「呼吸」だけで十分。
- 3.酸素水を飲んだことによる特段の変化はない。さまざまな測定項目が設けられているが、そのいずれにおいても、酸素水を飲んだことによる差は見られなかった
つまり「酸素水を飲んでも運動能力が向上するわけではない」というのがはっきりとわかっているのです。
酸素水のほかの実験結果と考え方
またこれ以外にも、消化器官を対象とした動物実験なども行われています。これにおいても、酸素水を用いたことによる特段の効果は見られなかった、とされています。動物実験ではありますが、人間にも同じことが言えるのかもしれません。
このようなことをあわせて考えれば、酸素水については「効果はない、もしくは実感できないレベルである」という話にとどまるでしょう。残念ながら、これが一般的な解釈になるかと思われます。酸素水を飲むのはあくまで自己責任で行うようにしましょう。